2013年03月15日

in岐阜。

おととい、13日(水)から、

岐阜での個展「リズムノリズム」始まってます。

会場は、ギャラリー元浜さん。

目の前に長良川の流れる、このギャラリーでは2回目の開催。


前回は10月だったので、季節が違う時に来ると、

また違った景色に見えます。



さて、今回の展示では、よりコンセプトが伝わるように、

ちょっとしたコラム的なものを書いて、

商品のリストと一緒にお配りしています。


以下、同文になりますので、

お時間のある時にでも読んでみて下さい。



普段、当たり前のように目にする、身の回りにある「素材」の一つ一つ。その素材はどこからやってくるのか、どんな風に加工されて私たちの手に届けられるのか。そういう風に考えたことってありますか?
例えば「綿の布」が「ワタ」から出来ていて、「ワタ」は「植物」であり、それを育んでいるのは「自然」であり、手間ひまかけて育てているのは「農家」である。ということを、知識として知ってはいても普段はあまり意識しないですよね。

「革」は元をたどれば命ある動物たち。僕が使うのは牛の革がほとんどで、基本的には「革」のために処分されることはなく、食肉産業の副産物として生まれます。牛から剥いだ原皮は塩漬けにされ、加工業者である「タンナー*1」さんの手に渡ります。
鞣し(なめし)という言葉を聞いた事があると思いますが、そのままでは腐ってしまう動物の皮膚を、腐らない丈夫で安定した素材へと変えること、「皮」から「革」へ加工するのが「鞣し」です。この「鞣し」には大きくわけて2つの方法があって、簡単にいうと伝統的な方法と近代的な方法。僕が使うのは前者「伝統的製法*2」によるモノです。昔ながらのやり方で、100%天然成分を使用して作られる、手間も時間もかかる「非効率的」な素材ですが「使えば使うほど味が出る*3」という魅力は、実はこの製法による特徴。

自然な風合いを生かして仕上げられるため、天然の傷や、トラ*4・イナズマ*5とよばれる生きていたときの痕跡があったり、少し引っ掻いただけでも傷がつきやすい素材です。同じ1枚の革でも、裁断する場所により表情が違い一定ではありません。プラスチックのような工業製品ではなく、人間に一人として同じ人間が存在しないのと同じように、牛や馬も一頭ずつ違って当たり前。転んでケガをすることもあります。育つ環境によっては皮膚にシミもできますし、ホクロだってあります。傷やシワ、シミなどがあるのは当然で、染料の入り方も違うので色ムラも出ます。
なので、量産するメーカーやハイブランドではあまり使われる事はなく、使用する場合でも傷などを避けてキレイな部分だけを使うので原価率が上がります。ブランド品が高級な理由は、実はこんなところにもあるんです。

RHYTHMのコンセプトは「命」。動物たちの命に感謝を込め、丁寧な手仕事で、素材を余す所無く使う。
強度などに問題が無い以上、傷やシミのある部位も使用するので、バッグの真ん中に大きな傷がある場合もあります。パーツによって色味に差がある場合もあります。それは僕にとってごく自然な当たり前のこと。
その傷から、生きて走りまわっていた頃に思いを馳せてみてください。そうすると、そのバッグが今まで以上にいとおしく、世界にたった一つのモノであることが分かるはず。今回の作品には、そういった傷などが目立つ素材をあえて使用しています。そこから「生命の鼓動」=RHYTHMを感じてもらえたら、嬉しいです。


*1 革を鞣すことを「タンニング」言います。その鞣しを行なう業者のことを「タンナー」と呼びます。
*2 「植物タンニンなめし」「フルベジタブルタンニング」「渋なめし」などの呼び名がありますが、
  ミモザやアカシアの樹皮から抽出されるタンニン(渋)を使い、30~40日間かけて丁寧に鞣します。
  この製法による革のことを一般的に「ヌメ革」と呼びます。
*3 ヌメ革は、使用していくと皮脂が擦り込まれ、衣類などで摩擦され、日に当たったりすることで、
 あめ色の艶が出て来ます。この経年変化を「エイジング」と呼びます。
*4 生きていた時のシワなどが残っているもの。縞模様になるところからトラと呼ばれます。
*5 血管・血筋の痕。革の表面にイナズマ状に走っていることからそう呼ばれます。


IMG_7048.JPG



posted by SHOICHIRO-IBUSHI at 11:53| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。この写真のバッグはとてつもなく美しいです。これほど自分のものにしたいと思ったバッグはないです。やられました。完敗です。コメントせずにおれない存在でした。
Posted by 近藤賢 at 2013年03月18日 00:05
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